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部門長挨拶

昆虫バイオメディカル研究部門 教授 部門長
井上 喜博Yoshihiro H. Inoue

昆虫先端研究推進センター設立

「昆虫が有する優れた生物学的機能の解明とその機能をヒト疾患研究や再生医療研究などに活用することを目的とし、 独創的な教育と研究を行う」という目標を掲げ、京都工芸繊維大学の学内重点領域研究に端を発し、本センターの前身として平成17年4月に教育研究プロジェクトセンター「昆虫バイオメディカル研究センター」を立ち上げました。 さらに、平成22年1月より本学の教育研究センターの一つとして昆虫とバイオとメディカルを統合した最先端の教育と研究を行うための「昆虫バイオメディカル教育研究センター」がスタートを切りました。平成27年度9月から「昆虫バイオメディカル教育研究センター」は、ショウジョウバエ遺伝資源センター、生物資源フィールド科学教育研究センターと統合した昆虫先端研究推進センターに再編成されました。昆虫バイオメディカル研究部門は、その中核部門として機能し、ショウジョウバエ遺伝資源研究部門や生物資源フィールド科学研究部門と連携しながら、全国規模の共同研究を実施しています。

 

医・工・農・薬連携の要

このセンターのねらいは昆虫に関する教育研究の中核的機関の設立と医・工・農・薬連携の扇の要となることを目指します。 そのため昆虫を研究対象としながら動物全般の生命現象の解明や人類の健康維持へとその研究対象を広げ、さらに大学院レベルのバイオメディカル教育研究を行います

 

ユニークな研究

本センターでは、ショウジョウバエとカイコという昆虫を使ったユニークな研究を展開しております。ヒトの疾患モデルとなるショウジョウバエを作製し、疾患発症メカニズムの解明とその治療薬の探索を行っています。
なぜショウジョウバエを使うのかという理由ですが、ショウジョウバエのライフサイクルはマウスなどと比べて非常に短く、結果を早く出すことができるということや一度に多数の個体を扱えること、さらに遺伝子レベルで均一な材料を揃えることが容易であることなどが挙げられます。
一方、カイコを使う理由は、もともとカイコはシルクタンパク質を大量に生産することができ、この性質を使って様々なタンパク質を大量に得ることができるという特徴があるからです。
本センターでは、このカイコに感染するウイルスを使って様々なタンパク質の合成を行い、得られたタンパク質を使ってヒトの細胞の増殖や分化を制御するシステムの開発を目指しています。また、固定化酵素やプロテインチップなど、ヒトの疾患の診断に有効なセンサーなどの開発にも取り組んでいます。